心象風景

なんですか、これ

安達としまむら -特典小説②『死間』感想-

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こんにちは。
今は2021年1月6日です。

 

さて問題ですが、私は今なにをしているでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A.『死間』を読んで膝から崩れ落ちてる。

安達としまむら Blu-ray 2(特典なし)

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  • 発売日: 2021/01/06
  • メディア: Blu-ray
 

 

 

はい。
先日こんな記事を書いてしまったので、その後の新作も感想を語らなければ道理に合わないと私を駆り立てました。

kokoroch.hatenablog.com

 

さっそく読みました。
読んで死にました。
この記事を書いているのは死体です。ウォーキング・デッドのワンシーンだと思って読んでください。

 

内容みたいな

舞台は相も変わらず3700年後、どこかの星。
チトはヤシロを背負って自転車を探していた。どうやら人のいそうな場所を見つけたらしく、すぐに逃げられるよう自転車を探しているらしいです。
『Chito』からどれくらい時間が経ったのでしょうか。少なくとも前回乗っていた自転車が壊れるくらいには時間が立っているようですね。
そして唐突に、今日がチトと出会った記念日であることに気が付いたヤシロは果実を渡してお祝いをする。
チトとヤシロが出会ったのは蒸し暑さが肌に宿る時期、ヤシロが空から舞い降りてきたらしい。ヤシロなので疑問を挟む余地が無い。
それにしても、蒸し暑い時期と来ましたか。まぁ夏でしょうね。そしてしまむらがヤシロと出会った時期も夏の終わりでした。何でしょうね。
そんな記念日から繋がる遥か昔の出来事。そう、安達としまむらです。
こちらは何の記念日かというと、しまむら二十歳の誕生日を迎えました。
しかし、しまむら自身は何の感慨も無い模様。どう見ても、どう動いても昨日までの自分との違いは感じられない。電話を見ても安達からの連絡は無い。
「安達がわたし関連のことを忘れるのは珍しい」と呟いて照れるしまむら。いつ連絡が来るか分からないから電話は常に持っていようとするしまむら……ふぅーーん。
ちなみにしまむらは夏が好きらしいです。たしか安達と出会った季節は夏休み明け。安達に告白されたのは夏祭り。
完全に理解した。
合間にヤシロと会い、二十歳の誕生日であることを教える。ここでヤシロは記念日というものを覚えたみたいですね。『Chito』でもそうでしたが、現在でのやり取りが遥か未来に繋がっています。
ヤシロ伝いに娘の誕生日を知るしまむら母。ふざけながらもしまむらの誕生日を祝います。何というか、本心を隠しながら愛情を持って接するあたりがしまむらの母親だなと感じられますね。
その後、二十歳の世界を味わうために散歩をするしまむらだが、景色は特にいつもと代わり映えはしない。
歩いていると日野に出会うしまむら。流れで日野ハウスへお邪魔することに。
日野ハウスでは以前も登場した日野の姪が出てきました。やはり日野に随分懐いているみたいです。『少女妄想中。』で見たような見てないような。はて。
部屋に案内され、お茶とお菓子を出してもらい、誕生日を祝われ、将棋を打ちながら語り合う。
日野は学校を卒業してからは特に働かずに暮らしているようです。現代の貴族なので。羨ましすぎる。いや名家なりの窮屈さとかはあるのかもしれないけどやっぱり羨ましい。
その後しまむらは贈り物をもらって、お昼をご馳走になって、昼風呂に入って、そしてぐっすり寝ていたらしい。永藤に負けないくらいくつろいでて笑った。他人の家でくつろぐのって相当図太くないとできないよ。
ついでに明かされる高校卒業後のしまむらの進路。どうやら大学へ進学したようです。明言はされていませんが、大学、もしかしたら学部まで安達とは同じなんでしょうね。職場を別にするまではいつも一緒だったらしいし。そんなの日野じゃなくても察するわ。
しまむらは大学を出た後、家を出るつもりらしいです。安達との同棲に繋がる話ですね。
そんなしまむらに「あまり会わなくなるな」と告げる日野。実際は、あまりどころか下手すれば二度と会わない。死別に近い。
ここらへんの雰囲気は実際読んで味わった方がいいです。公式ツイッターの試し読みにありますし。

日野と別れ、日野家を出る。その直後に届く安達からの連絡。そして現れる安達に笑いが零れるしまむら…………へぇーーーーーーーーーー。
その日の夜、安達に誕生日を祝われたしまむらは身体を満たす幸福感に浸っていた。単純すぎる。
ヤシロがやって来て話をします。歳をとることが喜べて、それが死ぬ一日前まで続けばいい。死ぬ時に幸せだと死ぬことが怖くなるから一日前がいいと、そんな話をします。
それを聞いたヤシロは、よく分からないけど最後の日には自分も何か考えると約束しました。いきなり不穏要素をぶち込むな。
場面は未来へ戻り、自転車が見つからないまま人のいそうな場所へ向かうチトとヤシロ。そして出会ったのは黒い髪と緑がかった瞳の少女「シマ」

感想

中々、深く遠い話になってきました。
なんというか、出会いと別れ、果ては死の話が多かったと思います。安達の奇行が恋しい。
『Chito』もその雰囲気はありましたが、今回は更に踏み込んでいましたね。今後の特典小説が怖い。
しまむらの死生観について描かれました。二十歳の誕生日に何考えてるんだって思わなくもないですが、何か死に触れる機会があったのかもしれないですね。というか一つしか思い浮かびませんが。何気なくペットの話もしてましたし。少なくとも、歳を取る事を意識すると涙が流れてしまうような、そんな出来事があったのでしょう。
そして歳を重ねる事が喜ばしく思える、そんな人生が死ぬ一日前まで続けばいいと吐露しました。死ぬ前の話はともかく、これは時間が流れても幸せと思える日々を送りたい。そんな意味だと思います。ではそんな人生を願うしまむらが、この先を安達と共に歩むようになるのは一体何故でしょうか。何故でしょうね。
それと印象深かったのが日野と別れる際の話。日野の言葉、「友達だから別れるんだ。関係なかったらそんなことにも気づけないはなんとなく『Chito』での安達の発言を思い出します。

そのままだと。
別れることが辛いことさえ分からないから、出会えて良かったと思う。
しまむらと。

出会いと別れの肯定。両方ともそういう本質の言葉なのでしょうね。情緒的で好きです、こういうの。大きく印刷して壁に貼っておこうかな。


まぁあと、何と言ってもあれです。しまむらさん。惚気すぎでは。
安達からの連絡が来ていない事を気にするしまむら。もう初っ端から飛ばしてますね。
そしてあくまでも「安達から」の連絡に期待し、自分からは連絡しないしまむら。たぶん安達から連絡来なかったら物凄く落ち込むと思う。
しかもしまむらはそれを「安達に……泳がされている」と表現します、モノローグで言い淀みながら。本来は「惹かれている」「心を寄せている」「心を奪われている」と表現するべきところでしょう。要はべた惚れです。心の中ですら素直に言い表せないしまむらくそっ、じれってぇな!
二十歳になっても代り映えのしない景色の中、自分を変えるのは二十歳のような時の流れじゃなく安達なのだと実感していました。……わざとやってるのかな?
満を持して来た安達からの連絡。高まる気持ち、弾む心、変わる景色、爆走してくる安達。それを見てつい笑いが漏れるしまむら
家に帰ってなんか多幸感に包まれてるしまむら
もはや安達の事が大好きすぎるのが手に取るように伝わってくる。見てるこっちが恥ずかしくなってきた。
本編で散々、安達がいなくても生きていける人間という描写をされていましたが、二十歳時点で既に安達がいなくなったら生きていけなそうな領域に踏み込んでない?何があった島村抱月


タイトルについては「死ぬまでの間」「シマ」ダブルミーニングみたいですね。もしかしたら「死の間際」も入るかもしれない。『Chito』も何かあるのでしょうか。
チトさんが今回出会ったシマさんですが、見た目から安達似であることが分かります。そしてチトさんはしまむら似。名前の印象からは逆なように思えますが。安達としまむらという概念は宇宙に遍在し、時代を超え様々な形で受け継がれているのでしょうか。
しまむらは『Chito』において、「何かを残したい」という話をしていました。それに適した形かは分かりませんが、遥か未来でも「安達としまむら」に類する何かが残されている。そんな気がします。世界の仕組みか、ヤシロが何かしたのか、どういう理屈なんでしょうね。しまむらとの「約束」という話もありましたし。
「チト」「シマ」から見て、未来の登場人物は「安達としまむら」から取られていることが分かります。では「アダ」と「ムラ」も今後何かしらの形で登場するのでしょうか。さて、残る特典小説のタイトルは何だったかな。

 

 

 

 

 

3巻特典小説は「安達としまむら2人きりで行く温泉旅行」、タイトルは「ムラ」。
安達がまた欲情しそう。