【感想】『ポケモンコンシェルジュ』を観たら癒されがオーバーフローした
タマザラシになって永遠に砂浜を転がり続けたい。
1996年の「ポケットモンスター 赤・緑」発売以来、様々なゲームや映像作品を作り続け今なお世界中で人気が拡大しているキャラクターコンテンツ『ポケットモンスター』、通称『ポケモン』。
そんなポケモンの新作アニメ、『ポケモンコンシェルジュ』がNetflixにて2023年12月28日より配信開始されました。
今作はただのアニメーションじゃねえぞ。なんとストップモーションアニメです。
近年では『モルカー』の流行により注目を集めたストップモーション(コマ撮り)。モルカーを観た人なら実物の人形が放つ可愛さを余すことなく体感したことでしょう。そのストップモーションの可愛さとポケモンが持つ可愛さ、この2つが合わさってしまったらどうなるんだ？可愛さの極大化学反応で────核融合が起きる…？
そしてこの作品を手掛けるのは数多のストップモーションを制作してきたスタジオ「ドワーフ」。コマ撮り系のCM全般やどーもくんはここが手掛けているという日本を代表するストップモーションアニメ制作スタジオです。日本人なら名前は聞いたことなくてもドワーフが制作してきた作品は何かしら観ているという知る人ぞ知る巨匠。
というわけでポケモンコンシェルジュを観ました。
いや想像以上に癒されましたね。
色とりどりのポケモンが個性豊かな動きで様々な表情を見せる圧倒的可愛さ。人とポケモンが気ままに過ごすことで実現される最高の自由。そしてそこから生み出される至高の癒し。
今までのポケモンって何かしら事件があったり必ずバトルが挟まったりと心休まる作品ってほとんど無かったと思うんですけど、この作品にはバトルも事件もありません。ピカチュウの夏休みとかピカピカ星空キャンプを人間主導にして更に世界観ごと柔らかくした感じの究極の"緩さ"を想像してください。無限に癒されるしかねえ……。
この癒し作品を広めて可愛いを広め、社会から解脱させ、世界を平和にしたい。
その一心でこの作品の感想をまとめようかと思います。そう、私は愛の大使。
そしてあわよくば大人気になってシーズン2を、いやシーズン10くらい作ってほしい。
ネタバレは控えたいので話の感想は1話だけにして残りは軽くまとめる程度にしていこうかと思います。
1話15～20分ほど、エンドクレジットを飛ばせば10分ちょっとです。全4話なので1時間程度で観れます。少しでも気になった方は気軽に観てください。きっと観終わった後は4話だけでは癒しが全然足りなくなり、癒しを渇望し彷徨うことになるでしょう。そうなったら次はポケモンコンシェルジュを布教し、癒しを広め、シーズン100まで作られる世の中に変えていくのです。そう、あなたは愛の大使。
一気に視聴するとオーバードーズを引き起こす恐れがあるため1話ずつ間を空けて観ることをお勧めします。
ポケモンコンシェルジュは用法容量を守って正しく視聴しよう！
感想
話について
6年半付き合った彼氏にメール一通で振られる、お気に入りの靴でガムを踏んづける、大事なプレゼンに遅刻する、気の合う後輩が辞める、眉毛を失敗する、3時間かけて作ったカレーが不味かった、大事なプレゼンで負けた、またガムを踏んだ……と社会の地獄を味わい心がすっかり荒んだ哀しき社会人が一人。ほとんど自分の不注意だろ。
彼女の名前はハル。自由な働き方を求めてポケモンリゾートへ転職を果たし、新米コンシェルジュとして新しい生活が始まるところから物語は始まる。
舞台はポケモンリゾート。ポケモン達が自由にゆっくりと過ごすことができるポケモンのためのリゾート島。泊まりに来ているポケモンもいればスタッフのポケモン、住み着いているポケモンもいるらしい。フシギダネからコラッタ、ピジョット、ゴローン、ランプラー、カイリュー、オオタチ…………え、天国！？！？
すみません。ストップモーション特有のフワフワ立体なポケモン達が動き回っていて天国かと思ってしまいました。あと人間もリゾートで遊べます。
そして初日はお客さんとして島を満喫することになったハルだが、社会に脳をやられているため「本当に何もしなくてもいいのか？何か仕事は無いのか？」と心身休まらず一人焦る。終いには一日の感想を長文レポートにまとめて発表しだすが、ポケモンの癒し力(ぢから)によって急に爆笑しだして無事に新米コンシェルジュのスタートを切るのだった。
お分かりでしょうか。この作品に"悪"が存在するというのならばそれは"社会"です。ポケモン世界でも人を苦しめるなんて許せねぇよ、社会め。
何も考えずにふわふわのポケモン達に思う存分癒されることができる作品ではありますが、全話通してハルの成長物語にもなっています。ポケモン達との交流の中で社会から解放されたり、悩みを解決したり、得意なことを見つけたり、個性を尊重したりとコンシェルジュとして成長していくのです。癒しだけじゃなくてテーマまでしっかりしている隙の無さ。無敵か？
全話観終わった時には私も社会から解放されたい欲が今までにないくらい増大してしまいました。ちょっとハルさんを見習ってポケモンリゾートに履歴書出してきます。
かわいい向上委員会
かわいい憲法第1条、かわいいは皆平等。第2条、かわいいは一日にしてならず。第3条、かわいい特許かわいい今日急遽かわいい許可かわいい。第85条、かわいい大行進が通った際は一緒にかわいく行進する。月火水木かわいい金土日なら超かわいい全人類みな平等にかわいい。
お出迎えしてくれるフシギダネ可愛い、顎を撫でられるコラッタ可愛い、撫でられて喜ぶウパー可愛い、コラッタを追いかけるオオタチ可愛いすぎ、体操するヤナップヒヤップバオップ可愛い、空飛ぶカイリュー可愛い、カイリューの背中に乗ってるマダツボミとハネッコかわいい、嬉しくて水をかけるミズゴロウかわいい、お洒落したイーブイあざとかわいい～、そそくさと逃げるコダックかわいい。
じゃれ合うゴローンとメタグロス可愛い、テントに突っ込んでくるピジョット可愛い、ストレッチする3猿かわいい、念力が暴走するコダックかわいい、交通事故の原因になるディグダかわいい、ぽてぽて歩くコダックかわいい～、人間を浮かせるくらい念力が強いコダックかわいい、爆笑してるハルにドン引きするコダックかわいい、今が楽しいコダックかわいい～～～～～～～～！！！
進化してはしゃぐポポッコ可愛い、ぐっすりコダック可愛い、家に帰りたくなくていじけるゴローン可愛い、泳ぎが苦手で浮き輪使うコイキングかわいい、浮き輪を持ったまま飛んでいくキャモメかわいい、ハルとコダックを乗せて空を飛ぶカイリューかわいい、落ちそうなコダックかわいい、浮き輪で遊ぶディグダとパウワウかわいい、遊びに入れてもらえないデデンネかわいい、浜辺ですやすやのカビゴンかわいい、火をつけるランプラーかわいい、再利用品で遊ぶヤブクロンかわいい、飾り付けをした浮き輪が欲しいウパーかわいい、浮き輪待ちのポケモンみんなかわいい！！！！！！
ピカチュウ12匹の団体可愛い、キャベツ食ってるコダック可愛い、内気なピカチュウ可愛い、タイヤのロープウェイでぶっとぶコダック可愛い、ロープウェイが怖いピカチュウかわいい、ドッキリ大作戦のヤブクロンとメタグロスかわいい、寄り添って寝るコダックとピカチュウかわいい、怖がりなヨマワルかわいい、気弱なデルビルかわいい、踊りのが恥ずかしいオドリドリかわいい、目が回るコダックかわいい、「またね」が言えるピカチュウ花丸かわいい～～～～～～～～～～！
でっっっっっっっっっか！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！
その他雑な感想
メタグロスを連れてきてる10歳にも満たなそうな子供、何者なんだ……。
コラッタを捕食しようとするオオタチ、図鑑の説明通りとはいえリゾート施設では危険存在すぎる。
ヤナップヒヤップバオップのことめちゃくちゃ可愛いと思ったの初めてかもしれない
お洒落イーブイ、絶対に自分のこと世界一可愛い存在と自負してる感じがある
仕事しなくていいと言われてるのに徹夜でレポート仕上げるハルを見てると精神やられそうになる
ゴローンを持って宙に浮かぶメタグロス良すぎる
スマホがろくに使えない環境、もしかしてインターネットに依存して日々余計なストレスを溜め続けている我々への風刺？
ディグダが急に出てきてバイク事故起きるのマジで怖いからやめて
コダック～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～。
浮き輪取られて泣いちゃうコイキングかわいすぎる。これがキュートアグレッションってやつですか？
というかコイキングって感情あるんだ。
ピカチュウはふわふわになればなるほど可愛い
大きな声にびっくりして物陰に隠れるピカチュウ可愛すぎ。これが、キュートアグレッション……！？
怖くてぷるぷる震えるピカチュウ可愛すぎ！これが、キュートアグレッション！！！
踊りのを恥ずかしがっちゃうオドリドリは流石に改名した方がいいと思う
このコダック、スタッフポケモン面してるけどワタナベさんが預かってきたポケモンって言ってなかった？
まとめ
天国、パラダイス、極楽浄土、理想郷、桃源郷、エデンの園、エルドラド、シャングリラ、世の中には様々な楽園の概念がありますが、ここに一つ新たな楽園としてポケモンリゾートが加わりました。
この世の全てを癒さんとする恐るべき癒し力(ぢから)。もうポケモンリゾートじゃなくてポケモンイヤーシに名前変えるべき。
そしてそれはポケモンたちの可愛さによるもの。出てくるポケモン達はみんな可愛さ600族どころか900族くらいある。可愛いのはかいこうせんとギガインパクト、いやもうむしろじわれやぜったいれいどレベルです。しかも必ず当たるので回避不能。みんな仲良く癒されに溺れて死にましょう。
テーマとして「苦手なことを無理に頑張らなくていい」や「自分らしく」など下手に描写すると胃もたれする要素もありましたが、ポケモンとの交流を通してハルが学んでいくという形で説教くさくないのが良かったです。
苦手の克服が努力の先にあるのではなく、楽しんでいたらもしかしたら克服できるかも程度に収まっていたのは良い塩梅でしたね。人もポケモンも楽しむのが第一で、義務感や責任感は最低限のみという理想の場所がそこにありました。
初めにも書きましたが、惜しむらくは4話しか無いこと。もっと観たくなってしまったので人気が出て続編が作られるといいなと心の底から思います。
ちなみにこの作品は観終わった頃に癒されがカンストし、一周回って鬱気味になる副作用があるみたいです。全人類で現実に絶望しよう！
何で現実にポケモンがいないんだ？
