心象風景

なんですか、これ

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』感想 -記憶の深淵から奴らが帰ってきた-


『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(C) 2023 Nintendo and Universal Studios

映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』、公開翌日に観て来ました。
発表当時は「マリオの映画って何やるんだよ」とか「マリオでミルドラースしてほしくない」とか「なん、だ……?魔界……帝国……?」とか否定的な意見ばかりが頭を駆け巡りました。
まぁ名探偵ピカチュウソニックは満足して観れましたし、今回のマリオも綺麗なCGでマリオが動く、単純ストーリーで楽しい映画になっていればそれでいいかなと。特に秀でたものが無くても変な主義主張が前に出ていなくてマリオの世界観が表現されていればいいかなと。ひっそり観に行って自分の中で完結させて感想とかも特に語る必要はないかなと。
正直あまり期待せずに観に行ったのですが

 

 

ごめ゛────────────ん!!!!

 

意地はってごべ────ん!!!
おれが悪がったァ───!!!!
今更みっともねェんだけども!!!
おれ゛感想かかないっていったけど!!! アレ…!!!


取り消すわ゛けには、いかねェがなァ─!!!

 

 

というわけで映画マリオの感想記事です。
全く期待せずに観に行っこともあり、想定以上のクオリティと「マリオ」にぶん殴られて死んでしまいました。
どれくらい期待していなかったかと言うと、事前情報を何も知らず公開したらとりあえず観る程度の期待度です。強いて言うなら海外で一般客と評論家の評価が真逆に割れているのと、子供が多く観に行ってる様子を直前にテレビで見たくらいでした。
ちなみに私のマリオシリーズ経験は割とありまして、メインのアクションものからRPGやペーパー系、パーティーやパズルなどのスピンオフ系まで色々触っています。レトロゲーで遊べる環境だったことやバーチャルコンソールが出てきたこともあって初代からワールド、ヨッシーアイランドドクターマリオワリオランドシリーズ、なんならヨッシーのパネポンとかもプレイしています。思い返せば私のゲーム体験はマリオシリーズがベースになっているのかもしれないです。
それよりも早く感想を書かないといけないですね。観に行ってから一週間以上経っていることもあり、記憶が薄れてきてしまっています。
あ、はい。そうです。この記事は書き溜めとかせずに本当に一週間以上経った2023年5月7日の今リアルタイムで書き始めています。書こう書こうと思ってたんですけどね。明日書こうを繰り返してたらゴールデンウィークが瀕死になってました。あれ、休みめちゃくちゃあったはずなのに、マジで今まで何してたんだろう……。

 

感想

序盤(導入~キノコ王国)

いきなりクッパ登場。ペンギンの国を襲ってスーパースターを手に入れるだけの導入ですが、もうこれだけで満足ゲージが半分くらい溜まっちゃった。
ペンギンよえェー!カメックつえーーーーー!!クッパくそつえェーーーーーーー!!!!!
と精神年齢が5歳になりました。あとはもう「マリオがんばえー!」しか喋れないかもしれん。

 

場面は変わり、ニューヨーク州ブルックリン在住のマリオルイージ兄弟は二人で独立し配管工事の仕事を営んでいた。とりあえずまだ始めたばかりでCMを流した段階らしい。

 

ん?

 

ニューヨーク州ブルックリン在住?

ブルックリン……?

 

………………

 

……

 

 

魔界帝国じゃねぇか!!!!!!!!!
(スーパーマリオブラザーズの裏設定です)

 


スーパーマリオ 魔界帝国の女神』© 1993 Allied Filmmakers N.V. (C)1993 Nintendo

1993年に公開された実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』。
昔興味本位で観て記憶の奥底に封印した魔王が目を覚ましてしまった。クッパの20万倍怖い。

 

元職場の上司だった男スパイクに馬鹿にされるが、そんな時に入る仕事の依頼。
ここの携帯の着信音、なんか聞き覚えあるんですけどなんでしたっけ?

そして現場へ向かおうとしたところ車が壊れるから徒歩で行こうとかいうあまりにもゲームすぎる展開からの横スクロールアクション画面。
ノスタルジーが刺激される~~~~~~~~。最近は専ら3Dアクションばかりなのでなんかこう懐かしさがすごい。
この時点でマリオは身体能力が高いこととルイージは兄についていくので精一杯なことが分かります。

現場に到着し、ルイージ飼い犬のおもちゃを破壊するとかいうやらかしを経て早速お仕事スタート。
依頼内容は水道の水漏れを直すこと。元栓を締めて終了と思いきやぶちギレた犬に食われそうになる。たぶん劇中で3番目くらいに命が危険なシーンです。緊張感で言えばトップかもしれない。
なんやかんやで犬が窓から落ちそうになりそれを助けました。これで「犬は無事です」の一文を記載できるな!水道は無事じゃなかったので仕事は大失敗でしたが。

 

帰宅後、家族で夕餉のひと時なマリオ一家。
時オカで見たようなビジュアルのマリオパパは「安定した仕事を辞めるなんて何考えてるんだ」「現実を見ろ」「弟を巻き込むな」みたいな生々しい説教をマリオにする。なんでここだけちょっと地に足ついてるんだよ。夕飯のスパゲティに入ってるキノコもなんか現実路線のマッシュルームだし。
部屋にこもってパルテナで気分転換しようとするも気分の乗らないマリオ。慰めるルイージ。そんなじめっとした20代半ばの男の描写しなくても……。ヤラレチャッタのは映画観に来た若者たちの心です。クッパーーーーー!早くファンタジーに連れて行ってくれーーーーーーーー!!!
そこでブルックリンが水漏れで水浸しというニュースが飛び込んでくる。スーパーマリオブラザーズ出動!っつって下水道に侵入。地下ステージのテーマが耳に馴染む。あと30分はこれ流しておいてほしい。
元栓を閉めるのに失敗して地下深くに落下。世界で一番有名なドカンとご対面。ドカンかと思ったらダイソンだったので吸い込まれて無事に現実世界とおさらばです。
吸い込まれた先の謎空間にてマリオとルイージは離れ離れになってしまいます。ルイージはなんか禍々しいところに飛んでったしクッパの城だろうなぁ。
マリオは巨大なキノコだらけの場所に落下。果てはキノコ人間もといキノピオと出会います。こんなのキノコ嫌いにとって地獄と同じだろ。

 

……ん?

 

マリオ…異世界召喚……

…………

 

 

やっぱり魔界帝国じゃねえか!!!!!!!!


いや、キノコがリアル菌糸じゃないだけで安心感が段違いです。

 

一方、ルイージダークランドとかいうクッパのお膝元に飛ばされてビビっていた。カロンルイージに襲い掛かる。倒しても再生したり、地面から手が出てきて大量のカロンが出現したり。そしてどう見てもクッパ城になんとか逃げ込んだルイージの背後にヘイホーが映り暗転して終了。ここだけホラー映画なんだよなぁ。監督サム・ライミでしたっけ?後ろの席のちびっ子は「怖いよ~」って言ってたし、隣の席のカップルの彼氏はなんかビクッとなってた。大人が子供と同じくらい怖がってるんじゃない。

 

マリオサイド。なんか自慢してきそうな声で喋るキノピオに案内されて歩くマリオですが、途中、どこで見たか思い出せないレベルの敵キャラと遭遇(Newスーパーマリオあたり?)。クリボーとかじゃないんだ……とは思いましたが、敵キャラとは言っても原生生物みたいな立ち位置だったのでクッパの手下は出せなかったっぽい。それだったらハナちゃんとかいただろ!
あとヨッシーが少し映ったから活躍するかと思ったらその後は1ミリも出てこなかった。
そんなこんなでキノコ王国の世界観を眺めながら辿り着いたのはそう

 

 

あぁ~!ピーチ城のBGM(おと)ォ~!!

 

 

まぁここからは興奮ポイント盛り沢山でしたね。城下町には見覚えのあるアイテムやドカンワープ、そして無能なキノピオ共。無能な門番に始まり、「僕たちこんなに可愛いのに!」と豪語しながらクッパを恐れて何もできないキノコたち……。
キノピオ、そんなに可愛いか?
ヨッシーとかノコノコ、なんならケメクジ(ヨッシーアイランド)まで可愛いと思ったことありますが、キノピオを可愛いと思ったことは一度も無いが???
ちょっと腹立ってきたな。

役立たずのキノピオ達を余所に一人で戦おうとするピーチ姫。そこに現れる我らがヒゲのヒーローマリオ。マリオは弟を助けたい、ピーチは国を救いたい。そして何より得体の知れない生物が跋扈する中、お互い人間という感動。協力は不可避です。
ですが、本当に戦えるのか力量を測るためにマリオをテストすることに。
テストステージを見本のために一周するピーチ。なるほど、このピーチはバリバリの武闘派なのね。ピーチと言えば攫われるイメージが強かったですが、少し考えてみればRPGやペーパー系で普通に戦ってますし、スマブラでも普通に格闘してますもんね。捕まっても自力で脱出したこともあったので囚われの姫イメージはだいぶ時代遅れなのかもしれない。
マリオの方はこんなことできそうにない、と引き気味。ブルックリンでアスリートみたいな身体能力を披露したマリオでも無理ならそんなのもう人間の域超えてるだろ。そもそもピーチの等身からして違うし、本当に同じ人間か?
ここで登場するのは世界で一番有名なキノコ。そう、スーパーキノコです。
キノコ嫌いのマリオの口に無理矢理キノコを突っ込むピーチ。映画観てた時は何も思わなかったけど文字にすると凄いなこれ。
マリオ、巨大化。ダメージ受けて元通り。もはや脳内に刷り込まれたゲームシステムですが、いざ映像化されると妙な感動を覚えてしまう。
スーパーマリオ化したところですぐにクリアできるわけもなく、失敗しながら何度も挑戦しようやくクリア。そう、マリオとはそういうゲーム。トライ&エラーの繰り返し。諦めの悪い男の冒険譚。ゲームの性質を上手く映像に組み込んでいて素直に良かったです。

中盤(コングアイランド~クッパ襲来)

無事にテストも終わったマリオは、次はコング族の協力を取り付けにコングアイランドへ。もうコング族という単語にウキウキしてる
キノピオ達は無能なので護衛も送迎もいません。徒歩です。一国の姫が国を守るために自分の足で歩きます。……嘘だろ?こんな国守る価値あるのか?
ちなみにスネ夫キノピオは可愛いには飽きたためマリオ、ピーチと共に戦う気満々な模様。頼もしいけどキノピオの中では異常者だということが分かった。
道中、ファイアフラワー畑で休憩することに。スーパーキノコを食べたあたりでファイアフラワーはどうするんだろう、花をもしゃもしゃ食べるのかなとか思いましたが、どうやら触れるだけでエネルギーを吸収できる模様。食べなくてよかった。
ここで披露されるファイアピーチ、映画オリジナルかと思いましたが、よく考えたら3Dワールドで登場済みのはずなんですよね。ゲームはプレイ済みなのにマリオとロゼッタしか使ったことないので初見でした。
そしてピーチの背景も少し明かされます。どうやらマリオと同じくこの世界に迷い込んだらしい。ただし、赤ん坊の頃に。そしてキノピオ達に拾われ、そのまま育てられ、姫として担がれたと。
……最初から王政だったわけではないのか?人間を自分達を守る主として担ぎ上げてるってコト……!?
寄生。
これはキノコによる寄生です。恐ろしきキノコの性質。キノコ王国の闇を垣間見た。

 

場面はクッパサイドへ。

 

ピーチピーチピチピチピーチ~♪

 

クッパさんなんかすごい熱唱するじゃん。
ピアノ弾けるし歌も上手いし、強いし。欠点とかあるのか?顔?
事前情報とか本当に何も知らなかったからこのオリジナルラブソングを熱唱するクッパで笑った。ちびっ子達を差し置いて劇場で私が一番楽しい気持ちになってた自信あります。
そしてピーチと一緒にいるヒゲの存在を知ったクッパは捕らえたヒゲを拷問。ここ拷問内容がヒゲを引っ張るなのも楽しすぎるけどヒゲ引っ張られただけで情報を吐くルイージルイージ画面が愉快で埋め尽くされて窒息死しそう。

 

マリオ一行はコングアイランドへ到着。金色のゴリラが車で王のもとへ送ってくれます。コングが車に乗ってたらそれはもうディディーコングレーシングだろ。マリオカート差し置いて先にそっちを出すな。
そして王との謁見。王とはクランキーコング。見覚えありすぎるゴリラ。
こんなのもう来るじゃん~奴が来るしかないじゃん~~~~~~。
クランキーに協力を求めるが、知ったことではないと協力を拒否。だが、マリオの必死な頼み込みで息子と戦い勝てば強力してもいいと条件を提示。


コング族、クランキー、そしてマリオ。ここまで来て奴が出ないはずはない。
マリオとの因縁は最古参。マリオファミリーが誇るスーパーゴリラ。世界で最も有名なゴリラ。
鳴り響くコンガの音。湧き上がる観客。彼の名は────


DK!!

ドンキーコング!!!!!


ここ本当にテンション爆上がりしました。事前情報何も知らなかったのでまさかドンキーが出てくるとは。声出しOKだったら一緒にDKラップ叫んでたよ。
いや考えてみたらそれはそう。マリオの起源をなぞるならドンキーコングを出さないわけがない。でも出てくるかもわからない状態で本当に出てきたら異様に嬉しくなってしまった。ドンキーでここまでぶち上がるのは初めての経験です。嫌いだったわけではないですが、ドンキーが好きだった記憶は全くないので。自分が思っていた以上にドンキーのこと好きだったっぽい。これがラブコメでよく見る恋を自覚する瞬間ってやつか?
それとディディーとディクシーがいたのも地味に嬉しかった。もしかしたら他のコングもいたのかも。
話は戻ってマリオVSドンキー。体格差も違うなら身体能力も段違い。チビマリオでは全く相手になりません。ハンデとしてアイテムが用意されていますが……マメキノコNewスーパーマリオブラザーズで登場する、小さくなって細い通路を通ったり水上を走れるようになる謎解き系のパワーアップアイテム。当然戦闘には役立つはずもなく瞬殺。瞬殺だけど懐かしいアイテムの登場には思わず喜んでしまった。
何もできずにボコボコにされるマリオですが、間一髪のところで本当のパワーアップアイテムをゲット。
ネコマリオ
これは割と最近のやつですね。3Dワールドで登場します。壁を登れたりして縦横無尽に動き回れる3Dにおあつらえ向きのパワーアップです。立体的なコングコロシアムではまさに適役。パワータイプの天敵はスピードタイプと相場は決まっています。ドンキーを翻弄し圧倒。マリオの勝利によりコング族はマリオ一行に協力することになりました。

 

一方、ルイージは溶岩の上に吊るされた檻に投獄されていた。
ここで出てくる青い星。あれ、何?
いやスーパーマリオギャラクシーに出てくるチコと同じ種族なのは分かる。でもこんな「死は救済」みたいなこと言うキャラではなかったと思うんですよね。チコ自体もロゼッタにくっ付いてるから割と知名度はあると思うし、だから同じ種族を登場させるという意図も分かる。でもあの青い星、何者?私の知らない作品で出てきてたりするんですか?
あとここらへんでしたっけ?部下集めて盛り上がってるところ。クッパがピーチと結婚したがってるのはこちらとしては周知済みだからいいけど、初耳の部下たちは白けてるじゃん。「嘘だろ……あの大魔王クッパ様が、色ボケ……?」みたいな空気になってるじゃん。自分たちの仕事が馬鹿みたいに思えてくるじゃん。なんとか暴虐的な性質を引き出して現実逃避する手下共。楽しい組織すぎる。あとカロンってそうやってできるんだ。カメ族、お前ら何なんだ。

 

場面はマリオに戻り、クッパの元へ攻め入るためショートカットを使うという作戦を練ったところ。ここの作戦会議の地図がスーパーマリオワールドのワールド画面風で心の中でスタンディングオベーションしてしまった。
ショートカットとはカートを用いて秘密の道を突っ切るということ。即席でカートを作ってくれるコング族の技術どうなってんだ。キノコ王国が中世ヨーロッパならコング族は産業革命くらい発展してるぞ。思い起こせばスーパードンキーコングとかでも工業が盛んだったりしていたので技術力が随一というのは原作に忠実な証拠なのかもしれない。
そしていざカートを走らせ秘密の道へ。秘密の道とは何か。

無限に湧き出るマリオカートの記憶。馴染んだ景色が劇場のスクリーンに広がっている。これもう、映画館でマリオカートやってるようなもんだろ。
そしてそこに襲い掛かるクッパ軍団。レインボーロードでのカート戦開幕です。
直ドリ、ショートカットと完全にマリオカート。あまりのマリオカートっぷりにコントローラー持ってきていないことが悔やまれるほど。もう一回観に行く機会があったらコントローラー持って行こ。
そして隊長みたいな青甲羅のノコノコを倒してマリオカート戦はマリオ側の勝利、と思いきや青甲羅のノコノコが羽を生やし始め……いやこいつトゲゾーだ!あ!!!!ヤバい!!!!!!!
マリオカート64以降のシリーズをプレイした人なら誰しも察する。このギミックは完全に死角からの強襲だった。何でこいつだけ青甲羅でキャラが濃いんだろうとは思ってはいたけど、まさか羽を生やすまで全く気付かなかったとは。
しかも破壊力がヤバい。コースごと破壊してマリオとドンキーは落下。コング達は捕まり、ピーチは事態を知らせるためキノコ王国へ。
そのまま海に落ちたマリオとドンキーは二人して巨大ウツボに飲み込まれることに。巨大ウツボ、何度かマリオシリーズに出てくるけど、マリオと言えば巨大ウツボだろ~~~みたいな共通認識でもあるのか?
マリオとドンキーはウツボの体内で喧嘩しながらお互い親に認められない同士ということで共感し、少し打ち解け、たるジェットを使ってウツボから脱出。ベタだけどやっぱりこういうのはいいですね。中盤の強敵と認め合って協力関係になる展開。それもマリオとドンキーという2大スターなら尚更というもの。
キノコ王国へ帰還したピーチはキノピオ達に避難するよう喚起する。そこに早速クッパ城襲来。城ごと丸々やってきました。展開がスピーディーすぎるだろ。
求婚するクッパ、断るピーチ。当たり前体操。
だがキノピオを人質に改めて結婚を強要するクッパにピーチは承諾するしかなく……文字で書いてると展開が完全にエロ漫画なんだよなぁ。でもこれはエロ漫画じゃないのでクッパは本当に結婚したいだけなんですよね。強要した結婚に何の意味があるんだ?と思わなくもないですが、クッパはこれでずっとやってきてるプロなのでこれでいいんですよね。本当か?

終盤(結婚式~決戦)

早速クッパとの結婚式。生贄にペンギン、ルイージ、コング族、青い星。檻ごとマグマに落とそうとする。いや死に際を楽しんでるこの星なんなんだ……。
婚約の直前、ピーチはブーケに隠し持っていたアイスフラワーでアイスピーチ化。クッパと檻をマグマに落とす装置を凍結。アイスってどのシリーズで出てきたかいまいち記憶に無いんですよね。ギャラクシーで全身が氷になるやつがあったのは覚えてますけど。たぶんピーチのアイス化は初めてだと思う。
マリオとドンキーも城に到着。マリオはスーパーマリオ、ドンキーはファイアドンキーに。
ファイアドンキー!?!?
ドンキーお前、パワーアップできるのか……?燃えるゴリラはなんかもう、ズルいだろ……。ここまでゴリラを格好良いと思ったのゴジラVSコング』以来です。今度からスマブラの持ちキャラは全員リストラしてドンキーメインにします。帰ったら猛練習しよ。
そんなこんなで凍っていた生贄装置の氷が砕け再起動。生贄共は再びピンチに。絶体絶命というところでスーパーゴリラが全員を救助。と思ったらルイージだけマグマに落ちかけて……。当然、ここで弟を救うのは他でもない最高の兄マリオです。タヌキスーツに身を包み華麗に空を飛びます。改めて考えるとタヌキって空飛ぶんだっけ……。
後ろの席の幼女も「タヌキマリオだー!」っつって喜んでた。私も同じこと思ってたし完全に精神が幼女になってる。たぶんミラクルライトとか光らせるタイプの映画だったらマジで一心不乱に応援してたと思う。そういえば序盤に「マリオがんばえー!」しか喋れなくなったんだった。
氷を破壊して復活するブチギレクッパ「マグナムキラーを放てええええ!!!」と叫び、当たったら城が粉砕されるっぽいマグナムキラーが発射される。マグナムキラーってそんな決戦兵器みたいな扱いなんだ。ゲームだとポンポン飛んでくるのに。
大惨事を阻止するためマリオはアイアンマンみたいなタヌキの飛行能力を駆使してマグナムキラーを挑発。タヌキってなんだったっけ?
キラーを誘導し無事にブルックリン行きのドカンにぶち込む。キノコ王国は救われましたが、ブルックリンが無事かどうか気が気じゃない。
と思ったらドカン内での爆発の影響でドカンがクッパ城ごと全員をブルックリンへ転送。決戦の地はブルックリンへ。
ぶちギレクッパはマリオを瞬殺。マリオは自分では勝てない相手だと悟ってしまいます。しかし目に入るのは蹂躙されるブルックリン、奮闘する仲間たち、そしてマリオブラザーズのCM。
マリオブラザーズがブルックリンを救います。
自身の原点を思い出し、ブルックリンを救うため再び立ち上がる。それもそのはず。彼こそ世界一有名な諦めの悪いスーパーヒーロー、マリオなのだから。
まぁベタですよね。でもベタでいいんですよ。自分の起源を見つめなおして奮起するヒーロー。これで熱くならないわけがないです。やられたらもう一度やる。これがマリオのゲーム性でありヒーロー性なんです。まさしくマリオを体現したこの展開に文句言うわけないでしょう。
逆転の鍵はスーパースター。それを取りに走るマリオ。当然、クッパも阻止しようと炎を吐き、マリオは焼かれそうになります。が、九死のところでルイージがマンホールで防いでくれました。そうですね。この映画のタイトルは『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。実は途中で「これマリオしか活躍してなくない?」とか思ってましたが、最後の最後でその意味が分かりました。弟の最大のピンチを救ったのがマリオなら、兄の最大のピンチを助けるのはルイージです。故にスーパーマリオブラザーズここにタイトルは回収されました。


スーパースターのBGMが気持ち良すぎる~~~~~~。なに?星のカービィ ディスカバリーでもそうだったけど最高に盛り上がるところでお馴染みの無敵BGM流すやつ流行ってるんですか?このBGMがかかったら文字通り敵無しなことは誰もが知ってますよね?みたいな逆転っぷり。無論、クッパでさえ手も足も出ず瞬殺。あまりの爽快感に意識が飛びかけた。もしこのまま昇天していたら私の遺体はブルックリンの地下に埋めてください。

かくして倒されたクッパはマメキノコを食わされてミニクッパのまま投獄。まぁあれですね。合法的にピーチ城に居座れて良かったね。
ブルックリンを救ったマリオブラザーズは英雄と称えられ、父親との確執も解消。何の不安も無い平和な日常が戻りました。
その後、マリオブラザーズは同じく平和が戻ったキノコ王国で配管工事に勤しむのでした。

いやぁー完全無欠のハッピーエンドで観ていて気持ち良かったです。
これぞスーパーマリオブラザーズといった終わり方。
エンディングの余韻が心地良い最高の映画でした。


……ん?

 

決戦の地は元の世界。
勝利後は英雄として称えられ──。

 


……………………

 


魔界帝国じゃねえか!!!!!!!!

 

 

エンディング後はブルックリンの地下で見覚えのあるタマゴが「ヤッヒー」と産声を上げ……という何も決まっていないのに続編を匂わせるB級映画みたいなおまけ映像がありました。S級映画がそんなことするな。本当に期待するだろ
そういえば私ヨッシーのモノマネ得意なんですよね。「ヤッヒー」「ペロン」「フゥーン!」「クルリンハーッ!」なんでもいけます。もしヨッシーのオーディションあったら受けていいですか?自分、ヨッシーいけます。やらせてください。

まとめ

はい。もう一度言いますが、最高の映画でした。
映画化による余計なテーマやキャラ付けは一切無く、マリオの要素をふんだんに使った豪華パフェ8000段盛りみたいな映画。100点満点中2億点は上げてもいい。
こんなにヒゲの男コンビが格好良い映画なんて滅多に観られません。それだけでも貴重な映画体験です。いや、半年くらい前にインド映画で観たな。短期間で格好良いヒゲコンビの映画が二つも摂取できることあるんだ。
マリオブラザーズオリジンとして配管工、キノコ王国の冒険からドンキーコングまで一通り揃っていてこれだけでマリオというものが分かる贅沢な一作です。所々で魔界帝国のリスペクトが窺えたおかげで忌まわしき記憶が蘇りました。本当にありがとう。

どうやら一般客からは好評で、評論家からの評価は芳しくないようですが、まぁ分かります。私も観終わった後の感想がまず「ファン映画の究極系だったな」なので。
ただ、ことこの映画に関しては「ファン」の意味は通常と少し異なります。マリオに触れたことがあれば何かしら気が付く要素が多く、そういう要素は得てして楽しいものです。そしてマリオに触れずに生きてきた人間なんて探す方が難しいレベルだと思います。つまりは大抵の人が観ていて嬉しい要素があるということです。
ファン=マリオを知っている人、かつそのファンが誰でも楽しめるような作りになっていること。これがこの映画の構造なのだと思います。ここまできたらもうファン映画というのも少し違うかなとも思いましたが。そしてファン要素を除けば重厚なストーリーでもなく、深いテーマがあるわけでもないので評論家からの評価が落ちるのも当然かなと。評論家の評価軸とか知りませんが。
ではマリオ要素が分からなければつまらない映画なのかと言うと私としてはそうは思いません。高クオリティなアニメーション、魅力的なキャラクターと世界観、単純明快なストーリーは観ていて退屈になるとは思えないからです。作中で必要な説明もしていますし。父親との確執とかもファミリー映画としては十分深いテーマでは?と思わなくもない。
それを踏まえればマリオ知らない人にも十分勧められる映画だと思っています。私はマリオを知りすぎているし、周りにもマリオを全く知らない人はいないため本当のところは分かりませんが。
私の評価軸はテーマやストーリー面とエンタメ性は別軸なので画面が楽しければそれだけでアホみたいに評価します。なんと言っても私はゴーストバスターズ』(2016) クリス・ヘムズワースのフィーバータイムだけで満足した人間だぞ。嘗めるな。
でも大抵の人は画面が楽しい映画が大好きなはずなんですよね。じゃなかったら『シャークネード』があんなに人気になるわけないじゃないですか。なんでここで出てくるのが『シャークネード』なんですか。知らねえよ。
とにかく評価としては映像の楽しさだけで2兆点です。最初に提示した得点をだいぶ超えましたね。もうどうにでもなれ。
普段評論家の意見とか全く見ないからこういうの面倒くさくなってきた。はいこの話はこれでおしまいです。
なんか大ヒットしてるみたいですし、続編作ってくれるといいですね。最後にヨッシーが出てきたあたり次はスーパーマリオワールドかな?それともヨッシーアイランドヨッシーストーリー?なんならドンキー方面に飛んでもいいし、ワリオランドをやってもいい。もう全部やってくれ。イルミネーションには死ぬ気で働いてもらうしかない。
満足と期待しかない映画でしたが、不満というかすっきりしない点は一つだけありました。
あの青い星のことは何もわからなかった。あれ、何?



 

 

 

 

 

 


じゃあ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』観て来ます。