心象風景

なんですか、これ

【感想】『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』を観たら屈強な男達に詰められて記憶を改竄されてしまった

あのアクアマンが頭のおかしいパリピ犯罪者になっていて全米が泣いた

 

先日、ワイルド・スピードシリーズの最新作、ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』を観てきました。
まぁ相変わらずはちゃめちゃに面白いというよりも映画自体がはちゃめちゃな結果はちゃめちゃにテンション上がってはちゃめちゃに満足できるみたいな作品でした。はちゃめちゃなのは私の文章です。
最近は事前に映画の内容を何も調べずに観る方が楽しいということに気付いたので、事前情報はテレビCMくらいしか見てないです。そのCMも最終章という情報以外はなかやまきんに君がほぼ「ファイ、ヤーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」しか言ってないから本当に何も分からない。何なんだあのCM。
最終章とのことなので今作は続編ありきの終わり方だったんですけど、肝心の続編の公開予定は2025年。つまり2年後。


……………………


2年後にシャボンディ諸島で!っつってリアルタイムで2年休載挟むことあるんだ。


観る時に絶対今作の内容忘れてるじゃん、と思ったので未来の自分のために印象に残った部分の感想を書き残しておこうと思います。

 

感想

ストーリー・展開について

第5作ワイルド・スピード MEGA MAXで倒した麻薬王エルナン・レイエスには実は息子がいて、実はこのシーンの時にもいました。という回想をいきなりぶつけられた。
いや絶対いなかっただろと思うわけなんですが、少しでも疑問を抱こうものならジェイソン・モモアが肩組んできて「いたよな?なぁ?」と圧を放ってくるんですよ。
はい。いました。
というわけで今作の敵は5作目から因縁が続いている麻薬王の息子、ダンテ・レイエスです。

 

全体の流れとしてはサイファー訪問、ローマで爆弾転がし、リオでストリートレース、ドミニク逮捕からのダンテ襲撃、息子救出、合間にローマン一行とリトルB&おじさんパート、レティパートが挟まる感じです。
群像劇なのもあって場面転換が激しいし、展開もかなり強引。ただアクションが多く映像が派手なのでひたすら勢いのままに乗れるようになっているのは流石のワイスピ。むしろ考えだすとと終わるんですが、ここまでシリーズを追いかけている人間は訓練されているので映画が始まると精神年齢が小学生になります。
そして映画が終わってから思い返すと「いやおかしいだろ!」と無限にツッコミが湧き出てくるのもいつものこと。もはやそれが楽しいまである。

 

とりあえず重要そうな場面ごとに感想を書いていこうと思います。

 

まずダンテの策略に嵌ったローマン一行を助けるためドミニクとレティはローマへ。
巨大爆弾がローマの街を破壊しながらゴロゴロ転がるところ、今時あんなザ・爆弾みたいな丸くてデカい爆弾あるんだ。この爆弾がひたすら街を破壊して転がるもんだから「もう爆弾じゃなくていいだろ!」とすら思った。
あまりにも街を破壊しすぎたので一回止まった時はマジで安堵したし、ピタゴラスイッチで転がり再開した時なんかもはや「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と心が絶叫してました。ローマに何か恨みでもあるのか?
途中で爆弾がバスを真っ二つにするシーン、あれ撮影時に本当にバスを破壊してるらしくて流石に頭おかしいと思いました。
爆発自体は爆弾を川に落としたことで被害を抑えられたし、死者も出なかったとのこと。ローマが無事とは言ってない。
爆発の首謀者としてドミニクとそのファミリーは指名手配。レティだけ逮捕。
今まで味方だった秘密機関エージェンシーのトップはミスター・ノーバディーからエージェント・エイムスという男になったためサポートどころか敵が増えました。代わりにノーバディの娘(テス)が生えてきた。

 

リオデジャネイロでのストリートレース。
急にドミニクの元恋人エレナの妹(イザベル)が生えてくるパートなんですが、実際はぬるっと出てくるダンテに全部持っていかれる。
最終的にダンテによってめちゃくちゃにされるし「レースする意味ある?」とすら思うけど、ヴィン・ディーゼル「ある」と言ってくるのであります。

 

そしてリトルBのピンチに登場した助っ人、前作では敵だったジェイコブおじさん。ワイスピにおいてキャラ付けはその時のノリみたいなところがありますけど、それにしてもキャラ変しすぎだろ、と思っていたらジョン・シナが肩組んできて「いや、元々こういうキャラだったよ」と言ってきました。
元々こんなキャラだった気がする。

 

ロンドンを訪れるローマン一行パート。
ここで出てくるのがジェイソン・ステイサム演じるデッカード・ショウ。さすがはスピンオフも作られる人気キャラ。やはりステイサムは世界一格好良いハゲだと思い知らされた。格好良すぎてもはやフサフサみたいなところある。
ちなみにレティは謎の施設でサイファーと共に脱出することになってます。

 

ドミニク逮捕からのダンテ襲来。
別れたと思ったらいきなり遊びに来たよみたいな雰囲気で登場するから油断ならない。劇中時間はそれなりに経ってるのかもしれませんが、観てる側としてはさっき会ったばかりだろ!となる。
イザベルを人質にやりたい放題暴れるが、テスの助太刀によって形勢逆転。と思いきやヘリからの射撃で更に形勢逆転。テスは神の目をダンテに奪われ、息子を狙いに行くという最悪な展開に。主人公側に利があるとすればエイムスの誤解が解けて秘密組織が味方になったくらいか。エイムスの好感度が低いから絶妙にテンション上がらない。後の展開を思えば上がらなくてよかった。

 

ついにクライマックス。ダンテに拉致られたリトルBを救いに来たドミニク。
ドミニクの運転する車がヘリコプター2機に引っ張られるんですけど、この作品はワイスピなので当然のようにヘリを引っ張ってぶん回します。車は最強。聖書にもそう書いてある。
そしてドミニクの道を切り開くためジェイコブおじさん特攻。この作品における味方キャラの死亡ほど信用ならないものはないんですけど、最終章だし流石に死んだか?生き返っていないキャラもいる以上この時点では死が優勢かもしれない。
ジェイコブおじさんの命を賭した助けもあり無事にリトルBを救出。と思ったのも束の間、ダムの上でトレーラー2台に挟まれて絶体絶命のピンチに。
ヘリで助けに来たローマン一行もエイムスの裏切りによって撃墜。実は最初からダンテの仲間だったらしい。過去回想の時点でいたんですよ、と明かされる衝撃の真実。噓でしょ。本当にいた?でもアラン・リッチソンが「いたよ」と肩叩いてくるのでいたと思う。いました。
トレーラー挟み撃ちはダムの上からダイブで回避。この展開自体は普通なんですけど、トレーラー同士の衝突により起こった爆発を背にダムの斜面を駆け降りるところがもう最高でした。何と言ってもタイトル回収ですからね。派手なタイトル回収にテンション上がらない人はいません。"ファイヤーブースト"の放題付けた人にボーナスあげてください。
息子を救い、ピンチからも脱したと思いきや最後にダムに仕掛けられた爆弾が起爆。
実は南極大陸にあった施設から脱出したレティとサイファーは氷を割って浮上してきた潜水艦と合流。そして中から出てきたのは過去作で死亡したはずのハンの恋人、ジゼルが……!
というところで終了です。


まぁ最終章との触れ込みがあったので今作で決着するとは微塵も思っていませんでしたが、予想以上に中途半端なところで終わりましたね。ドラマシリーズの引きみたいな終わり方です。観終わった時は来年公開かなーとか楽観的なこと考えてました。帰宅後に調べて絶望するわけですが。これもダンテが与える苦しみってやつか?

 

オマケ映像ではルーク・ホブスが登場。父親を殺した張本人なのでドミニクと同じく復讐対象とのこと。それはそう。とりあえず色々と揉めていたドウェイン・ジョンソンがシリーズ復帰してくれて嬉しい。

ダンテ・レイエス

最終章の敵、ダンテ。
ボスキャラらしく高みの見物を決めてると思ったらぬるっと目の前に現れてドミニクを嘲笑いながら状況を悪化させて去っていく最悪の悪役。方向性としては完全にバットマンジョーカーです。
今作の面白さの7割はダンテの功績と言っても過言ではない。今作の事件は全部こいつが引き起こしてるので。ふざけた態度なのに根がガチな復讐者だから常にドミニクに付きまとってくるし、ファミリーの一員みたいな気軽さで出てくるからいつ何が起こるか気が気じゃない。
でも出てきて雰囲気が重くなるかというと逆で、むしろ明るくなるのが妙なところ。出てくるだけで派手に何かが起こるというのもありますし、そもそもダンテのキャラが陽の者すぎて華があるというのもある。悪役なのに。
この最悪の敵を演じるのがジェイソン・モモア。今でこそアクアマンのイメージですが、以前はゲーム・オブ・スローンズのドロゴでした。とにかく厳つくて威圧感のあるイメージなんですよね。それが今作、回想でこそイメージ通りの精悍な雰囲気で登場しましたが、現在のダンテはそれはもうパリピでした。パリピを極めすぎて死体で人形遊びする始末。パリピへの風評被害だろ。
私の中のモモア像は完全にダンテ・レイエスに塗り替えられてしまいました。私の脳内でジェイソン・モモアがアロハ~とか言いながらロコモコ丼食ってローマの街を爆破して練り歩いてます。アクアマン助けてくれ。


その他雑な感想

今作はダンテ、祖母、イザベル、テスと知らん親類が生えすぎてもはや次はどこからキャラが発生するのか楽しみになってきた。ここまで来たらドミニクの妹の夫とか出してほしい。一番の人気キャラがそれだろ。

 

ダンテに一杯食わされて瀕死のサイファーがドミニク宅に押し掛けるところ。凄すぎる。ドミニクの恋人を殺しておいて自分が死にかけたら助けておくれ~と登場する度胸。面の皮10000000000000000000メートルくらいありそう。

 

謎施設脱出時にいきなり始まるレティVSサイファー、見せ場としては良かったけど状況が状況なだけに「今やるなよ!」が勝ってしまった。

 

祖母はカメオだし、ストリートレースとかレティVSサイファーはまだ画面映えするから入れる意味は分かるけど、いくら何でもハンがドラッグ入りマフィンを食べて幻覚を見るシーンはいらないだろ!

 

私は今まで青いスーツにトゲトゲの靴が似合う人間なんてこの世にいるわけないと思ってました。ごめんなさい存在しました。ブリー・ラーソンは何着ても似合います。たぶん追加でトゲトゲの肩パッドとか付けても似合うと思う。

 

潜水艦が南極大陸であんな登場することある?

まとめ

毎度のことですが、ストーリーや設定は考えれば考えるほど粗があるし、破綻すらしているところもあります。でも不思議と観ている最中は気にならないというか、むしろ楽しくて仕方ない。最後まで熱があるから観終わった後も興奮が冷めやらない。それこそがワイルド・スピードの魅力であり、このシリーズが持つパワーです。きんに君要素回収したな。
なので映画としては満足できますし、高く評価しています。物語の粗が気にならない事は全くありませんが、私にとって映画としての満足度と物語の評価は別なので観て楽しければそれで十分です。いやでもマフィンで幻覚見るシーンは本当にいらないと思う。あとサイファーが味方になる展開も流石に納得できる落としどころが欲しい。
それよりも一番つらいのがこれの続きが2年後という事実。アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を想起させますが、そちらは続編のエンドゲームは1年後に公開されてますし、その間に他のMCU作品で盛り上がりを繋いでいるんですよね。なので時間が空いても熱が冷めるどころかヒートアップしていました。
でもワイルド・スピードはただ2年空くだけですし、普通に考えたら熱もすっかり冷めて前作の内容もうろ覚えのまま観ることになります。何言っても製作期間が短くなるわけではないので仕方ない事ですが、だからこそせめてキリの良いところで終わらせてほしかった。何であんな来週に続くみたいな終わらせ方したんだ……。
なぁ冨樫先生、何でなんだよ。


ステイサムに「お前だってブログ2年近く放置してただろ」と言われたのでマジで黙ります。
お疲れ様でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ジェイコブおじさんが生存してる方にサイファーとダンテの魂を賭けるぜ。